滝クリじゃないよ、タキクロって?フォーマル生地のお話
フォーマルウェアの由来やネクタイの結び方、正しい着こなし方など‥
知っておくと便利で楽しい、フォーマルまめ知識のご紹介!
ディレクターズスーツ。
重役という名の通り、戦前にアメリカなどで重役の執務服として普及しました。
現在では昼間の準礼装として
冠婚葬祭の主賓格の装いとしておなじみの衣装です。
ディレクターズスーツについては、
次回にでも詳しく掘り下げる事にして、
今回はどうしても生産畑の立場として
モデルチェンジした生地についてお話したいのです。
普通は逆だろうと思われるかもしれませんが、
それぐらい訴えたいのでございます。
昨年末まで、当店のディレクターズスーツ(シングル1釦スーツ)では
タッサーという生地を使用していました。
これは、この織り方独特のノの字に流れ星のように綾が走っているのが特長です。
汎用性が高く、サラッとしていて割と鮮やかな発色だったのですが、
生地独特の横ハケと呼ばれる筋が目立ちやすプレス後に白くテカる事が難点でした。
昼間の準礼装でありながら、白々と見えるのは問題という意見が多くあり、
今回、生地を格上のものに変更したのです。
【タキクロはタキシードクロスの略】
表地はこれまでのタッサーからライトタキシードクロスに変更し、
ウール100%からウール99.7%・炭素繊維0.3%の混率になりました。
ノの字織りから、糸が縦横にきめ細かく絡む
ライトタキシードクロスになったことにより、
より黒い艶を全面にたたえる風合いになっています。
糸の打ち込み量が多いので、製品になったときの波打ちが抑えられる効果もあるんです。
波打ち?
と思われるかもしれませんが、
安い服だとシワになりやすかったり、ペラペラな印象がありますよね。
主賓が着るスーツがそんなだったら、かなりマイナスイメージですよね?
軽い着こなしながら、ドシっとフォーマルらしい重厚感を出すのも
意外とこだわったりしているのですよ。
正礼装のタキシードの黒々とした高級感を出すには
不可欠な生地を、準礼装にまで用いた事がフォーマル専門店のこだわりです。
【0.3%の魔法】
炭素繊維の0.3%って意味あるの?
そう思われるのも無理もない数字ですよね。
しかし!このたった0.3%のカーボン繊維が
スーツをあらゆる面からサポートしているのです。
まず、炭素繊維を含ませたことにより、
衣類の難敵である静電気を防ぐ帯電防止効果が生まれます。
礼服の出番はそうそう多くはないもの。
ですからこれにより保管時のホコリ付きが防止され、白くなりにくい特長があります。
また黒いので目につきにくいのですが、実は生活撥水加工も施してあります!
披露宴などで少し水をこぼしたりすることって意外とありますもんね。
そういうシーンも想定しました。
また炭素繊維の効果で、アイロンプレスをした際、
これまで問題だったテカリを抑えられるようになり、
ご家庭でも取扱いやすいスーツとなっております。
そして使用する型紙も、生産ごとに修正や改良を加えているんです。
改良と聞くと大げさですが、触っている寸法は数字にして数ミリ。
袖の付け型、脇腹を削ったり足したり。
完成時には全く変わらない寸法に仕上がるのに、
まるで着心地が変わることもあるんです。
ネット通販のスーツ、と聞くと簡単なイメージかもしれませんが、
私たちはフォーマル専門店、自社工房を持つ者として、
常に良いものをお客様に届けるべく、日夜研鑽しているのです!
受注生産の際はお届けまで約1ヶ月いただきますが、
それは国内の職人が1着ずつ手がける品質の裏づけです。
ぜひ、国内自社工房、職人縫製のスーツをお試しください!












